31/08/2015
【研究員Aの報告】
みなさん、こんにちは。
安売りされていたライスが酢飯と気づかずカレーをかけて食べた研究員Aです。
前回からタンパク質発現の歴史について記事にさせてもらっています。前の記事では組換え技術の生みの親とされるPaul Bergについて記載しました。今回は、Paul Bergの論文が出た1年後の話になります。
(2)プラスミドDNA
Paul Berg の論文に続き、1973年にStanley N. Cohen、Herbert BoyerによりDNAの組換え技術を大きく進展させる論文が報告されました。その論文は、制限酵素EcoR1により処理した2種類のプラスミドDNAを連結し、大腸菌に導入したという内容になります1)。このとき導入されたプラスミドは、大腸菌の中で複製することが確認されています1)。更に翌年、CohenとBoyerのグループは、同様の方法でカエルのDNAをプラスミドに挿入し、そのプラスミドを大腸菌に導入した論文を発表しています2)。これにより、今では当たり前となっている制限酵素とプラスミドを用いたDNA組換え技術の基礎が確立されました。プラスミドの研究を行っていたCohenと、制限酵素の研究を行っていたBoyerのコラボレーションにおり、このような画期的な技術が生み出されました。
これを機に、制限酵素とプラスミドを用いて、ヒトを含む様々な生物のタンパク質が微生物を介して生産されるようになりました。
余談になりますが、今回紹介したStanley N. Cohenは、1986年にノーベル賞を受賞したStanley Cohenとは別人になります。調べていると、混同して記載している記録もありました。ちなみに、後者のStanley Cohenは、EGFの発見によりノーベル賞を受賞しています。そしてEGFと言えばヒゲタ醤油です。ブレビバチルスで作ったEGFを試薬として販売しています。近々、試薬EGFの情報をホームページにアップする予定です。その際は、またお知らせいたします。
(3)へつづく
(1)Cohen, N. S. at el (1973) Proc. Nat. Acad. Sci. USA Vol. 70, No. 11, pp. 3240-3244
(2)Morrow, J. F. at el. (1974) Proc. Nat. Acad. Sci. USA Vol. 71, No. 5, pp. 1743-1747