03/05/2026
昨日から5月の連休。会社は休みだが、やりかけの仕事に背中を押されてここにいる。
5軸マシニングセンターは、相変わらず頼もしい。航空機系の部品が山積みだ。ワークを一度つかませれば、1時間あまり、黙々と削り続ける。縦型マシニングが手を出せない角度も、迷いなく追い込んでいく。つかんでいる面以外を一気に仕上げる、その自由度こそが5軸の醍醐味だと改めて思う。
一方で、ワイヤー放電加工機も止められない。半導体関連の部品は、連休明けには形になっていなければならない。こちらも段取りさえ決めれば、あとは1時間ほど自動で動く。仕組みや原理は違うが、ニクロム線で発泡スチロールを切っていくようなイメージで、金属を精密に切り出していく。削る音とは違う、あの独特の間が工場にリズムをつくる。
平日なら、機械が動いている合間に電話や打ち合わせ、細々した業務が次々と入り込む。だが今日は違う。誰も来ない工場で、機械だけが時間を刻んでいる。
さて、その時間をどう使うか。仕事を詰めるのも一手だが、こういう日は少し余白があってもいい。工場の片隅に置いてあるバイクに目をやる。油の匂いと金属の手触りは、仕事も趣味もあまり変わらない。
そのバイクは、30年前、高専に通う足として使っていた古い一台だ。
カワサキ W1
初年度登録は昭和42年。廃車にせず税金を払い続けて30年。
先月、その車検に挑んだ。昔の感覚のままでは到底通らない。ライトの光量など今時の細かい基準や手続きに引っかかり、何度かやり直しを食らった。それでも、ようやく合格したときは妙な達成感があった。効率とは別の軸で、自分が納得するまで手を入れた結果だ。
メグロからカワサキへと移った最初期の系譜にあるモデル。昭和の機械遺産と言っても大げさではない。
令和の最先端の工作機械が並ぶ町工場の片隅で、そのW1をいじる。CADもCAMも3Dモデルも関係ない。トルクレンチより先に、手の感触が頼りになる。
連休の工場は、どこか実験室に似ている。義務から少しだけ解放された場所で、自分の手と頭の使い方を試せる時間だ。
機械が削る1時間のあいだにロッカーケースを分解し、加工が終わるころに組み直す。その往復の中に、妙に納得のいくリズムがある。
今日はその贅沢を、少し味わってみるのも悪くない。
休み明けの現場は、少しだけガソリンの匂いがするだろう。島崎
#カワサキ乗り 切削加工 機械加工製造業