03/04/2019
【空中火災】
航空機に限らないが、いくら何でも、非常時、簡単に火が回るようには造られてなどいないだろう…と思い込むのは過信かも。
地震が来れば(津波が来るので)まずは高所へ、というのは問答無用ながら、航空機の場合はいろいろと "事情" を勘案しながら、いくつかの調整が必要にもなる。(敢えて "忖度" とも…。 本来はそんなの「クソ喰らえ」なのだけれども。。)
自動車でさえ、例えば高速道路を走行中、(衝突事故でもないのに)いきなり何かの原因で発火して、あっという間に燃え尽きてしまうようなシーンがよく報道され、建築物でも、件の「レオ●レス」の大規模な不正建築など、目先のコストの節減より、明らかに火災リスクの方が大きいものを、わざわざ不燃材料から可燃材料に仕様を変更して問題が表面化するようなケースも。
1998年9月、カナダの太平洋上で「スイス航空111便(MD11)」を見舞ったこの大事故もご多分に漏れず、空中火災によるものとしては広く知られ、今でも記憶している人は多いものと思う。(この会社はその後911テロに伴う航空需要低迷などの影響もあって2002年に破産)
その「原因」として挙げられたのは…
・ファーストクラスのエンタテイメントシステムが機首部の天井裏に配置されていたが、その電気配線に不良があり、火花が発生した。
・上記のシステムに保護機能が備わっておらず、かつ貨物室でもないこのエリアに火災予防・報知のための(設計上の)配慮がまったくなされていなかった。
・周辺の電気配線の絶縁被覆材料として可燃性のものが使われており、まずこれに着火した。
・断熱材として使用されていた「ポリエチレン・テレフタレート(略称はPETで、"ペットボトル" の名称はここから)」に引火、激しく延焼し、操縦系統、計器類の電源を焼損した。(PETは難燃材料として認識されていたものの、事後の検証ではあっさり引火、その後使用が禁止された。)
・副操縦士が早期に異臭に気づきながら、機長が「空調システム」の問題として吹き出し口を(客室乗務員に)閉じさせ、一旦は解決した(ように見えた)。
・その後コックピット内に煙が発生、パイロットは火災対処のため(マニュアルに沿って)まず客室の電源を切ったものの、これによって客室の天井裏が真空状態となり、逆に火がコックピットの方へと呼び込まれることとなった。
(検証なしに対処法としてマニュアル化されていた。)
・機長は緊急着陸を決意した後も、管制に対し、"Mayday(緊急事態発生)" ではなく、緊急性の低い "Pan-Pan" の信号を発信、事態の重大性に対する認識は(手遅れを実感するまで)甘かったものと思われる。
・着陸のための重量制限を超えていたため、燃料を消費(投棄)するため迂回、時間を浪費した。(いずれにせよ間に合わなかったとの論評もある。)
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何はなくとも非常時には「緊急着陸」、そして、少なくとも「予防着陸」である。
マニューバー(操縦操作)上も、一刻の猶予も許されない状況下(特に離陸直後)、如何に速やかに着陸できるか、という観点で訓練を行っているか。
先日、伊丹空港にオスプレイが(予防着陸目的で)降りて、巷に騒いでいる人もあったが、「ともあれ事故にならなくてよかった」という寛容なムードが醸成されて然るべきであろう。(ただ、個人的にはオスプレイの運用に反対の立場。 原理的に、あんな危険な航空機はタダでも願い下げ!)
過去、近くに軍用空港があったにもかかわらず、緊急着陸が許されなかったために墜落に至った(と見られる)旅客機もある。(1987年5月 イリューシンIL-62/ポーランド航空5055便)
「燃料投棄」や、「マニュアルどおり」、「管制の承認待ち」のために、貴重な時間をロスし、サバイバルの機を逸したケースは枚挙にいとまがない。
異論もあろうが、たとえ最大着陸重量を超えていたところで、大した影響などあるものか。
重量が大きい場合、失速速度が増し、着陸速度を殺せない、加えてハードランディング時、降着装置に(損傷を伴い得る)負担がかかる、という問題こそいくつか生じるが、時間切れで墜落するよりははるかにマシ!
(グライダー関係者以外は??)意外に思うパイロットも少なくないが、重量によって 揚抗比/滑空比 は変化せず、むしろ正対風下では、重い方が到達距離が伸びる。
ジェネアビ機でも、キャビンで喫煙した乗客がうっかり寝込んで火のついた煙草を落とし、気づくと座席や床がくすぶり始め… という状況は、充分考えられる。
躊躇なく、堂々と「メーデー」を宣言し、よもや、後で誰か文句を言ってくるようなら、そういうのは(私が)凹ませてやりますよ。 笑
※アメリカでは、「連邦航空法」によって、緊急事態発生時のパイロットの行動にかかり、「何でもやっていい。 アンタが航空法!」と、明確に保証しており、悲しいかな、我が日本にはこれがない。 なので、この国では非常時さえ(パイロットに限らないが…)、まず "忖度(周囲への気遣い)" のために、ただでさえ半端ではないプレッシャーの中、限られた「脳力」が席巻され、万策尽きることになる。
ホテル宿泊でもデパートでの買い物でも、何はともあれ、避難要領の確認から。
FAR(14 CFR)PART 91.3
In an in-flight emergency requiring immediate action, the pilot in command may deviate from any rule of this part to the extent required to meet that emergency.
訳:直ちに行動を起こす必要のある、飛行中の緊急事態発生時において、機長はこの法律の如何なる規定から、当該緊急事態の対処のために必要なところまで、逸脱してもよい。
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